会長挨拶
マラッカ・シンガポール海峡は、中東・欧州域からアジア各国を結ぶ原油や貿易財輸送の経路上にあり、わが国の経済安全保障上にとっても、極めて重要な海上交通の要衝です。
しかしながら、ただでさえ同海峡には浅瀬が多く、安全航行幅は狭隘で、複雑な海流や変わりやすい風の影響と地勢的に海路の難所である上、世界でも屈指の船舶輻輳海域であり、操船技術の発達した現在でも、ベテラン船長でさえ緊張が高まる海峡であります。
マラッカ海峡協議会は、1969年の設立以来、半世紀以上にわたり政府と民間企業・団体との緊密な連携とご支援のもと、沿岸3国への資金協力、技術協力を行いながら、航路の浚渫、沈船撤去、航行援助施設の整備、作業船舶の提供、海図作成のための測量などを実施してまいりました。当該活動は、近年、大きな船舶事故が発生していないことに対し、多大な寄与をしているところであります。
また、上記のような航行安全対策を行うにあたっての重要ポイントは、この海峡の主要部分は全て沿岸3国(インドネシア、マレーシア及びシンガポール)の領海であり、これらの国の同意なしには、なしえないことであります。
当協議会は、長期の地道な努力、公平・誠実な業務活動により、沿岸3国海事当局からの信頼は厚く、人的ネットワークも緊密です。これは、金銭には替えられない日本の貴重な財産であると自負しております。
同海峡を含む周辺海域での国際海洋情勢が複雑に変化していくことや海上貿易量が増大し続けることが予想される中で、当協議会が培ってきた沿岸国との強い信頼関係を活かし、国民生活やわが国経済を支えるうえで重要な生命線である同海峡の航行安全に関して、一定の貢献を継続することは一層重要になってきていると考えております。
今後とも、同海峡の航行安全が確保されるよう、全力で取り組んでまいりますので、皆様のご理解とご支援をよろしくお願い申し上げます。
公益財団法人マラッカ海峡協議会
会 長 池田 潤一郎

公益財団法人 マラッカ海峡協議会の事務所案内
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